ロックショアフィッシングでウェットスタイル(ライフジャケット編)

ヒラスズキ
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こんにちは。今回はロックショア×ウェットスタイルで必須の装備、ライフジャケットについて、僕なりの視点からじっくり掘り下げてみたいと思います。

というのも、ロックショアフィッシングって、釣果も景色もドラマも全部詰まっていて、釣り人の中でも特別なジャンルだと思うんですよね。でもそれって同時に、他の釣りよりもずっと危険と隣り合わせ。だからこそ、安全面の話は避けて通れません。

その中でも、ウェットスタイルを選ぶ場合、ライフジャケットはただの“安全装備”ではなく、“命を守る最後の砦”になります。この記事では、僕自身の経験を踏まえながら、ウェットスタイルでのライフジャケット選びについて、リアルに語っていこうと思います。


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ウェットスタイルとは?

まずは簡単におさらい。

ウェットスタイルとは、磯場での釣りにウェットスーツを着て臨むスタイルのこと。波をかぶること前提で、シューズやグローブも含めてフル装備に近い状態で挑みます。

足元の滑りにくさや、多少の水没にも耐えうる耐久性があるため、より自由な釣りが可能になるのがメリット。潮位が高くて普段行けないエリアにもアプローチできたり、ランディングで一歩踏み込めたりと、釣果に直結する要素も多いんです。

その反面、海との距離が近い分、落水のリスクは高まります。そしてここで大きな誤解がひとつあるんですが、「ウェットスーツだけで浮くでしょ?」って思ってる人、いませんか?


ウェットスーツは“浮くけど安全ではない”

実際、ウェットスーツにはある程度の浮力があります。でもそれは“泳げるようになる”というほどのものではありません。

僕も初めてウェットスタイルに挑戦したとき、最初は「これで浮くしライジャケいらないかも」と正直思っていました。ですが実際に試しに腰くらいまで浸かってみると、浮力は感じるものの波に煽られる感覚はハッキリあり、「これじゃ自力で泳ぎきるのは無理だな」と実感しました。ヒラスズキ釣りに適しているサラシが拡がった水中は流れが複雑かつサラシのない海中より浮力が少なくなるので、さらにライフジャケットがなければ浮いておくことさえ困難になる場合もあります。

それに、体力を奪う水温、波や流れの方向、ギアの重み。磯からの落水は、プールに落ちるのとは訳が違います。そんな時、確実に浮力を確保してくれるライフジャケットがあるかないかは、生死を分けるポイントになります。


ウェットスタイルに適したライフジャケットの条件

では、どんなライフジャケットを選べばいいのか?

ウェットスタイル用として重視すべきポイントを、以下にまとめてみました。

1. 固型式が大前提

まず、膨張式のライフジャケットはNGです。誤作動や動作不良のリスクもあるし、磯での釣りは擦れ・衝撃・水被りが日常茶飯事。仮に膨張しなかったら…膨張しても岩肌に擦れて破れてしまったら…と思うと怖すぎます!

常時浮力を保てる「固型式」を選ぶのが鉄則。

2. 動きやすさとフィット感

ロックショアはとにかく体を動かす釣りです。キャストやロッドアクション、ランディングでの機敏な動作…そのすべてがライジャケで妨げられてはストレス

あと、岩場をよじ登ったり、落水時など水中から這い上がることを考えると前面に大きすぎるポケットは岩に引っかかるのでストレスMAX。個人的には「前面ポケット、ダメ絶対!」

前面や腕と肩まわりがスッキリしていて体にフィットするもの、シルエットがシンプルなものを選ぶのがポイントです。

3. 排水性と軽量性

水を吸って重たくなるライジャケは、動きが鈍くなるだけでなく、落水時の浮力にも影響します。メッシュパネルなどで排水性に配慮されているモデルが理想です。

また、長時間の釣行で疲労が溜まらないよう、全体的に軽量な作りであることも大事です。

4. 収納と拡張性

ポケットの配置や容量、Dリングの有無などもチェックポイント。特にウェットスタイルは必要最低限の装備で釣行してバックパックを背負わないことも多いので、ライフジャケットの収容能力に不満があればウエストポーチの追加なども要検討。

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実際に使っているライフジャケット

僕が今使っているのは、Awake Japan ROBEAT ロビートです。

このモデルの気に入っている点はまたのちほど。

ウェットスタイルのライフジャケットって正直、かなり種類が限られています。そんな中で実際に使ってみて気に入ったのは以下の2種です。

mazume × AIMS ウェットスタイルライジャケ

画像参照先

まず紹介するのはmazume × AIMS ウェットスタイルライフジャケットでロックショアフィッシングのスペシャリストであるAIMSを主宰する橋本景氏と共同開発されたそうで、ウェットスーツと一緒に使用することを前提に設計されています。泳ぎやすさを最優先した特徴的な作りになっていて、主な特徴としては:

ウェット専用にチューニングされた作り

  • 腕周りのカッティングが大幅に内側に入れられており、泳ぎやすさを重視
  • 大型のベルクロを使用して体にフィットするように設計
  • 着丈が43cm程度と短めに設計されており、動きやすさを確保
  • ウェイディング時の使用も考慮し、股ベルトが装備(MZLJ-327モデル)
  • 基本モデル(MZLJ-326)と高浮力モデル(MZLJ-327)があり、MZLJ-327は浮力7.5kgでライフジャケットの基準を満たしている
  • 足を踏み出すところの視界確保のため、ゲームジャケットのような大きなポケットは排除

マズメのウェットスーツ製作は、ウェットスタイルの第一人者である橋本景氏と意見交換することからスタートしており、「泳ぐためではなく、機能性と安全性を追求すること」をコンセプトに開発されているそうな。

腰にポーチ取付可能

ウェットスタイルライフジャケットは、コンパクトな設計で大型ポケットを排除しているため、必要な装備の収納には専用に設計された「mazume × AIMS ウェットスタイルウエストバッグ(MZBK-328)」を組み合わせて使用する仕様になっています。このウエストバッグは以下の特徴があります:

  • ライフジャケットと一緒に使用することを考慮して設計
  • ルアーボックスやランディングツール、プライヤーやリーダーなどを収納可能
  • 底部分にメッシュを使用し、入ってきた水がすぐに抜ける仕様
  • ターポリン生地を使用した耐久性のあるエクストリーム仕様
  • 磯に上がる際の擦れを考慮し、外側にマチ付きポケットなどの突起物がない設計
  • 収納力は、MEIHOのVW-2010ND-M(外寸:210×145×40mm)が3つ入る大きさ
  • ボガグリップを底部に固定可能
  • 装備品の脱落を防止するストレッチコード接続用のD管が5箇所に配置
  • プライヤーホルダー付き
  • サイズ:高さ15cm×幅26cm×奥行11cm、ウエスト最大120cm
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AIMSらしい男前なデザインも◎

mazume × AIMSのコラボレーションによるウェットスタイルライフジャケットは、機能性だけでなく、デザイン性も重視しています:

  • シンプルで無駄のないデザインを採用し、機能美を追求
  • ブラックを基調としたカラーリングでシックな印象
  • AIMSブランドの持つハードコアなイメージを踏襲したスタイリッシュな外観
  • 20年以上にわたり橋本景氏が完成させてきた「ウェットスタイル」の哲学を反映したデザイン
  • 実用性と安全性を兼ね備えながらも、見た目のカッコよさを損なわない設計

このライフジャケットは、その機能性、安全性、そしてスタイリッシュなデザインで、特にロックショアフィッシングなどのハードな環境でのフィッシングを楽しむアングラーに支持されています。

これらの特徴から、mazume × AIMS ウェットスタイルライジャケットは、ただの安全装備としてだけでなく、「ウェットスタイル」というフィッシングスタイルを実現するための重要なギアとして位置づけられています。浮力性能と動きやすさを両立し、専用ウエストバッグと組み合わせることで、水辺での活動に最適化された実用的なデザインとなっています。

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Awake Japan ROBEAT ロビート

画像参照先

次に紹介するのは今使っている前述のAwake JapanのROBEAT(ロビート)。Awake Japanが開発したロックショアフィッシング用のフローティングベスト(ゲームベスト)で、ロックショア(岩場での釣り)の「鼓動(ビート)」を意味する”rockshore(ロックショア)✖️ beat(鼓動)”に由来する名前を持つ安全性と機能性を兼ね備えた他に類を見ない画期的なライフジャケットなんです。

優れた泳ぎやすさと安全性

ROBEATは「泳ぐことを補助する」という明確なコンセプトで開発されて、ロックショアフィッシングにおいて海中転落は常に危険と隣り合わせであり、万が一の場合には岸まで泳ぐ必要があります。そこでROBEATは以下の特徴で優れた泳ぎやすさと安全性を提供:

  • 胸の浮力帯に一枚の大きなフォームを採用:ビート板のような役割を果たし、泳ぎを強力にサポート。フォーム(浮力帯)が体に密着する面積が広いため、上下左右にズレることなく安定した浮力を確保。
  • 肩周りの可動域向上形状:肩周りに浮力帯を持たせない構造により、泳ぎの際の動きを妨げず、自然なストロークが可能。
  • サイドを3つのベルトで固定:お腹でベストを支えるため、肩への負担が軽減されます。しっかりと固定されるため、海中転落時のベストの脱げを防止し、安全性を高い。
  • フィッシング業界世界初のクイックリリース搭載:レスキュー(ライブベイト)やスイムでの渡礁時の利用、サップやカヤックなどのリーシュコード取り付けなど、多様な用途に対応。このシステムにより安全性が飛躍的に向上。
  • 浮力7.5キログラム:十分な浮力を備え、着用者の安全を確保。

ROBEATは、従来のライフジャケットやゲームベストのように単に浮くだけでなく、積極的に「泳ぐこと」をサポートする設計が大きな特徴で、釣りにおいて泳ぐことが危険行為とされる傾向がありましたが、ROBEATは「どうせ泳ぐなら安全に泳いだほうが良い」という考えに基づいて開発されたそう。

高い機動性と装着感

ROBEATは釣り中の動きやすさと快適な装着感にもこだわって設計されていて:

  • 軽量設計:重量わずか820グラムという軽さで、長時間の使用でも負担にならず。
  • 肩周りの可動域向上形状:肩周りに浮力帯を持たせない独自構造により、キャストのしやすさが格段に向上。釣り動作を妨ず。
  • フィット感の追求:3つのサイドベルトでしっかりと固定し、体にぴったりとフィットします。動きに合わせてベストがズレることがなく、ストレスなく釣りに集中可能。
  • 股ベルトの廃止:フォームの設計や横ベルトにより体に固定され、ズレないため、従来のライフジャケットにあった煩わしい股ベルトを廃止。動きやすさと快適性が向上。(正しい着用が前提)
  • お腹でベストを支える構造:肩への負担を軽減し、長時間の使用でも疲れにくい設計。

装着感の良さは、実際に1年間使ってみて軽い、動きやすい、フィット感抜群と感じており、違和感なく活動できています。フィット感が良いことで動きやすさが向上し、それが結果的に安全性も高めることにつながっていると思います。

実用的な機能と拡張性

ROBEATは単なる浮力確保だけでなく、釣り人のニーズに応える多彩な機能と優れた拡張性を備えていて:

  • 大型胸ポケット:前面に大型ファスナー(錆びない)を搭載した大きな深めのポケットを装備。必要なアイテムをすぐに取り出せます。
  • Dカンの採用:肩2ヶ所、前面4ヶ所、後ろ首元に1ヶ所のDカンを配置。フィッシュグリップやその他の釣り道具の取り付けが可能で、使い勝手が向上。
  • パルスウェビングシステム搭載:米軍が開発したポーチなどを取り付けるシステムを採用。お好みにカスタムして利用できるため、個人のスタイルや釣りのシチュエーションに合わせた使い方が可能。
  • 専用ポーチ:ROBEATと一緒に使えるポーチがオプションで用意されており、収納力をさらに拡張可能。
  • 多様な使用シーン対応:ロックショアだけでなく、源流・渓流釣り、SUP(スタンドアップパドルボード)、シーカヤックなど幅広いウォーターアクティビティに対応。
  • クイックリリースシステム:先に渡る人がロープをクイックリリースに取り付け、手ぶらで泳ぐことで流されるリスクを軽減。到着後、ロープを使って後から来る人を竿と荷物ごと引っ張るなど、実用的な活用法あり。

特に「パルスウェビングシステム」の採用により、ROBEATは使い手のニーズに合わせて無限にカスタマイズが可能。この拡張性によって、一人ひとりの釣りスタイルに合わせた最適な装備を構成できます。

ROBEAT(ロビート)は、安全性・機能性・装着感を高いレベルで両立させた革新的なフローティングベストとして、ロックショアフィッシングをはじめとする様々なウォーターアクティビティの可能性を広げる製品と言えます。次に買うときもROBEAT(ロビート)を買うことになるくらい気に入っています。

Just a moment...

どちらも実戦で使える安心感のあるモデルです。体格や好みに合わせて、ぜひライフジャケット選びの参考にしてみてください。


まとめ:安心して「攻める」ための備えを

ロックショアって、どこか“無骨で攻める釣り”のイメージがあると思います。僕もそういう部分に惹かれてこの釣りにハマりました。

でも「攻める」ためには、その前提として「守る準備」が必要です。

ライフジャケットは、いざというときに命を守ってくれる唯一の道具。だからこそ、見た目だけで選ぶのではなく、実際の使用感や機能性を重視して、自分にフィットするものを見つけてください。

命を守る装備をしっかり整えて、これからも“攻めのロックショア”を思いっきり楽しんでいきましょう。

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